医療系ホームページの制作・運営者が知っておきたい、グーグルの「専門性・権威性・信頼性施策」とその対策

これからの医療サイトのあるべき姿

こんにちは。株式会社HUMOの高濱です。今回は医療系のサイトの作成や運営に関わる方(制作会社や病院内のホームページ運用担当の方など)にご覧いただきたい内容です。

数年前に起きたWELQ問題に端を発したインターネット上のゴミ情報問題。それに対応するグーグルの施策の解説と私たちが採れる対策方法についてお話します。

グーグルが公表した報告書

グーグルが2019年2月15日に報告書を発表しました。そのタイトルは「グーグルはいかに偽情報に対抗するか」。
(原文:How Google Fights Disinformation)」

この報告書で新しい事実が判明しました。

それは
「お金や健康に関する検索に対しては、専門性・権威性・信頼性を重視した結果を表示します」
というもの。

かみ砕いて言えばこういう意味です。
「医療は命に関わる重要なものだから、医療系のサイトは専門性・権威性・信頼性を重視した検索結果を表示します」

今回はこの事実に関連し、下記についてお伝えします。

  • これまでのSEOでわかっていたこと
  • 「お金や健康に関する検索では専門性・権威性・信頼性を重視した結果を表示すること」が意味するもの
  • 医療のホームページ作成・運営に携わる方が採れる対策

これまでのSEOでわかっていたこと

グーグルは「検索品質評価ガイドライン」を公開し、検索システムがどのように運営されているかを公表しています。

現在は英語のみでの公開されています。日本語で概要が解説されているものがありますので、興味のある方はこちらをご覧ください。
Google 品質評価ガイドライン解説(2018年7月版)
(原文)「General Guidelines

ざっくりお伝えすると、これまでグーグルは下記のことを公表していました。

【グーグルが好評価するサイト】

・検索ユーザーの役に立つ(目的を達成する)サイト

【グーグルが評価する対象のうち、特に重要なもの】

・ページの質と量、アクセスのしやすさ(見辛くないかや操作性)
・WEBサイトの運営者・会社は誰か
・WEBサイトの評判
・専門性、権威性、信頼性の程度
 ※E-A-Tと呼ばれます。E:Expertise(専門性)、A:Authoritativeness(権威性)、T:Trustworthy(信頼性)
・Page Rank(注:Page Rankは今は確認不可)
・被リンク

【専門性・権威性・信頼性に関する特記事項】

お金や健康(Your Money & Your Life=YMYL)に関する情報は人生に関わる重要な要素。お金や健康に関する低品質の情報ページはユーザーの幸せ、健康、経済的安定性、または安全性に悪影響を及ぼす可能性があるため、YMYLページのページ品質評価基準は非常に厳しい。

今回明記された「お金や健康に関する検索では専門性・権威性・信頼性を重視した結果を表示すること」が意味するもの

今回の報告書で注目すべきは以下の2点です。

新しい事実①

「お金や健康(YMYL)ページでは専門性・権威性・信頼性(E-A-T)を重視した検索結果を表示すること」を明言した。

(原文)
「As such, where our algorithms detect that a user’s query relates to a “YMYL” topic, we will give more weight in our ranking systems to factors like our understanding of the authoritativeness, expertise, or trustworthiness of the pages we present in response.」

新しい事実②

「『グーグルのアルゴリズムがどのように専門性・権威性・信頼性(E-A-T)を想定するのか』、という問いに対し、『リンクを重視する』と明言した。

(原文)
「How do Google’s algorithms assess expertise, authority, and trustworthiness?
Google’s algorithms identify signals about pages that correlate with trustworthiness and authoritativeness. The best known of these signals is PageRank, which uses links on the web to understand authoritativeness.」

明確になったやるべきこと

これらの事実から、私たちは

「専門性・権威性・信頼性」の構築に注力すべきことが明確になった

のです。

WEBサイトを作る側が行えること

それを受けて、WEBサイトの制作側が行ったがよいことがあります。ここでは病院サイトを作成・運営することを仮定して話を進めます。

  • 専門性アップのために:より専門的な、詳しいコンテンツを作る。
  • 権威性アップのために:権威を持つ先生がいたらその先生を紹介する。また、実績(受賞歴やキャリア)コンテンツを作る。
  • 信頼性アップのために:被リンクをつけてもらう。

要するに、「自院には信頼できる先生がいて、医療について詳しい知識を持っている」ことを表現する必要があるのですが、病院側に協力を要請しないとコンテンツが作成できないと思います。制作側は病院側には積極的に下記の協力を仰げないか相談し、病院側は一緒になって作成を進めましょう。

病院側が行えること

  • 専門性アップのために:専門的な知識を持つ先生に協力いただき、専門性を表に出したコンテンツ(来院された症例の紹介や病気・身体の解説記事など)を作成する。
  • 権威性アップのために:学会での発表歴や医療書の著作、受賞歴をまとめ、ホームページに掲載する。
  • 信頼性アップのために:公的機関や大学、大学病院、所属している学会などから自院ホームページへのリンクを貼ってもらえないか相談する。(その機関への籍があったり、共同研究を行っていれば相談の余地はあると思います)

オフラインで行えること

上記ではオンライン施策をご紹介しましたが、実はオフラインでもやれることがあります。

具体的には下記のようなことです。

  • 論文や学会発表を行い、権威性を身につけていただく。また、専門誌やWEBメディアに寄稿する。その活動は自院のホームページでも発信できますし、インターネット上で紹介されると被リンクをもらいやすくなります。
  • 病院での患者さん向けセミナーを開催する。インターネット上で紹介する患者さんが出てくるかも知れません。
  • 専門外来を設けたり、外部のアドバイザーを招くことで、病院の専門性を高める。
  • 地域を巻き込んだイベント(公開セミナーや子供向けの医者体験イベント等)を開催する。※専門性・権威性・信頼性というよりは地元密着により、地域でのプレゼンスを高める施策です。結果的に、ネットなどで紹介され、リンク対策になり得ます。

制作側と病院側の協力が不可

以上のように、専門性・権威性・信頼性のあるサイト作りには制作側と病院側が一緒になってコンテンツの編集・作成を行っていく必要があります。

近年は良質なコンテンツを作成する医療系サイトが増えてきています。
実績はありながら、どう打ち出せばよいか分からず集客に悩むのが一番勿体ないですよね。

実績があるところはきちんと打ち出し、ないところはまずはやれるところから(リンクをお願いしたり、学会での認定資格を取得されるなどし、実績を作りだす)はじめてみてはいかがでしょうか。

補足

SEOについてより深く理解したい方は下記サイトが参考になります。
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
Google が掲げる 10 の事実

※本文内の日本語訳は全て筆者(高濱)訳です。正確な表現を心掛けていますが、より正しい表現を確認されたい場合は、本記事中で紹介している原文をご確認ください。

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