【動物病院様向け】労働時間の基本的な知識

こんにちは!株式会社HUMOの松本です。

「働き方」と一口で言っても、業界・業種に応じ多種多様な働き方があります。

今回は、そもそも労働基準法では働き方についてどのような取り決めがあるのか、また動物病院ではどのような働き方が導入されているのか、など労働時間をテーマにご説明していきます!

法定労働時間とは?

法定労働時間とは、労働基準法で定められている1日及び1週間に従業員が働くことができる時間の事です。
現在は、1日8時間また1週40時間までと決まっています。

この法定労働時間を超えて働いた時間を時間外労働といいます。
一般的に残業と呼ばれるものですね。
以前の記事でまとめましたが、そもそも従業員に時間外労働をさせる場合、「時間外労働・休日労働に対する協定届」を従業員と締結し、労働基準監督署へ提出する必要があります。
参考:【動物病院様向け】時間外労働について

時間外労働が発生した場合、その時間分割増賃金を支払う必要があります。
詳細は下記の通りです。

労働条件   基礎時給比
時間外労働    1.25倍
法定休日労働    1.35倍
深夜労働    1.25倍
時間外労働+深夜労働    1.5倍
法定休日労働+深夜労働    1.6倍


深夜労働・法定休日(1週1日または4週4日の休み)に従業員が働いた場合、割増額がさらに増えてしまいます。

日々の業務を行う上で、どうしてもイレギュラー対応などで残業が発生してしまうこともよくある話です。来院数が多い日はなかなか仕事が終わらず、残業時間が増えてしまうこともあるでしょう。
とは言え、経営上割増賃金が増えてしまった場合、かなりの痛手になります。
人件費に一番コストがかかるからです。
そこで、労働基準法ではなるべく残業時間及び人件費を抑える仕組みとして<固定残業制度>や、<変形時間労働制>・<裁量労働制>という働き方を定めています。
どういった働き方か、ご説明していきます。

固定残業制度とは?

固定残業制度とは、1か月あたりおおよその残業時間を事前に決めておき、その時間分月給に組み込んでおくという制度になります。

この制度を導入する際のメリットとして、下記3点が挙げられます。

  • 給与計算を行う際、固定残業時間を超えていない従業員の割増賃金を計算する必要がない
  • 予め固定残業を見込んでおくことで時間外労働に対する従業のモチベーション低下抑止できる
  • 固定残業以上の残業時間の抑止につながる
割増賃金が発生した場合、給与計算自体が複雑になるため、計算に無駄な工数がかかってしまいます。
また残業時間が予め明確化されていない場合、長時間の残業時間は従業員のモチベーションダウンにつながってしまいます。

固定残業制度を導入することで、給与計算の工数を減らすことができますし、残業時間に対する従業員のモチベーションも下げずに済みます。

ただし、注意点として下記2点が挙げられます。

  1. 固定残業代が、割増賃金以上(時給換算後1.25倍する)となっているか?
    →割増賃金以上となってない場合、労働基準法違反の対象となります。
  2. 実際の残業時間と大きな乖離がないか?
    →例えば20時間の固定残業に対し、毎月実際は2時間とかなり少ない場合はかえってコスト増となりますし、35時間など大幅に多い場合は、そもそもの設定時間の見直しの必要があります。
また、固定残業時間以上従業員が残業した場合、もちろんその分の割増賃金を支払う必要があります。

なお、時間外労働については限度が決まっているためこちらを考慮して設定しなくてはいけません。

<限度時間一覧>
 1週間 15時間
 2週間 27時間
 4週間 43時間
 1か月 45時間
 2か月 81時間
 3か月 120時間
 1年  360時間
(期間/限度時間)

導入方法としては、10名以上の規模の病院であった場合、就業規則に明記し労働基準監督署へ提出する必要があります。
従業員が10名以下の場合、就業規則を作成する必要はありませんが、従業員代表者と労使協定(固定残業制度を設けますよという書面での約束)を結び、こちらも労働基準監督署へ提出をします。

動物病院業界においては、固定残業制度を取り入れいている病院が比較的多い印象です。

次に、固定残業制度以外の<変形時間労働制>と<みなし労働制>は、どのような働き方なのか、説明していきます。

変形時間労働制とみなし労働制

時間外労働について、その他に2つ制度があります。
それが、変形時間労働制とみなし労働制です。

変形時間労働制

まず、変形時間労働制には以下の4パターンがあります。

  • 1か月単位の変形時間労働制
  • 1年単位の変形時間労働制
  • 1週間単位の変形時間労働制
  • フレックスタイム制
2次診療や夜間救急を行っている大規模な病院では、①の1か月単位の変形時間労働制を導入し、シフト制で日勤と夜勤を回しているケースが多いです。
変形時間労働制を導入することによって、勤務時間を柔軟化させコストとなってしまう割増賃金を軽減化させることができます。

みなし労働制

みなし労働制には以下の2パターンがあります。

  • 事業外みなし労働時間制
  • 裁量労働制
みなし労働制の概念としては、①も②も「1か月の所定労働時間を働いていたとみなす」という内容となります。

①の事業外みなし労働時間制は、外回りや出張でなかなか労働時間を把握できない場合適用することができます。
また②の裁量労働制は、労働時間をなかなか測れない専門職(弁護士やシステム開発、デザイナーなど)に適用することができます。
※みなし労働制は、基本的には動物病院の働き方には該当しません。

動物病院では、最初に説明した変形時間労働制の①1か月単位の変形時間労働制を導入しているケースはありますが、あくまでも規模が大きい病院(数十名単位の病院)が導入している例がいくつかある程度にとどまっています。

まとめ:それぞれの病院経営に沿った働き方を導入しましょう!

これまで、労働時間についてご説明してきました。
ポイントとしては下記のとおりです。

法定労働時間とは従業員が1日・1週間に働ける時間の事


1日8時間、週40時間までと決められている。

時間外労働(残業)が発生した場合、その時間分割増賃金の支払いが必要


時間外労働をさせる場合は36協定が必須。
また労働時間分1.25倍以上の割増賃金が発生する。

固定残業制度などの制度導入で工数削減&従業員のモチベーションを守る


固定残業制度とは、1か月のおおよその残業時間分を給与に予め組み込むというもの。
残業が発生した際の給与計算にかかる作業工数を減らし、従業員の残業に対するモチベーション低下を抑制できるというメリットあり。


動物の命を預かっている動物病院では、毎日がイレギュラーの連続です。
定められている法定労働時間で対応できる日もあれば、大幅に時間外労働が発生してしまう日もあるでしょう。
割増賃金のコストがかさんでしまうと経営側としても苦しくなりますし、残業時間が大幅に増えてしまうとスタッフのモチベーションも下がってしまいますね。

それぞれの病院で経営方針や勤務状況は異なりますが、こういった制度を積極的に導入し、経営者・従業員ともにより働きやすい環境を実現していきましょう!

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